探求→実践→発信
「日本←→世界」から
「探求→実践→発信」へ。
令三社における「1周目の3年間」と「2周目」はそうやって大別できる。
最初からこんなストーリーを描いていた訳ではまったくない。世界における組織の進化にどこから貢献してよいかさっぱり分からず、目につく範囲で「意味の有りそうなこと」を積み重ねていくなかで、結果的に次の兆しが見え始めた。
これまでの蓄積を「ある固有の状況」の「具体的な実践」に繋げることに意味がある。その瞬間に「新たな知恵」の種が宿る
探求的な活動自体は変わらずに続ける。特に事例を調べる、人とつながる、というのは日本・世界のどちらでも大事な探索活動になる
発信を日本語・英語の両方で継続的に行うことは、令三社の存在する意義のど真ん中でもあり、それが探求や実践を促す役割としても機能するはずだ
一方で、日本と世界という対比構造は少し後退し始めた。その重要性が下がったわけではない。ただ、色々な人のつながりや行動が「自然になった」ことで、殊更に意識し続ける必要性は下がった
「自分(たち)は何者か」を明確にするうえで、「どの切り口で捉えるか」は非常に重要だ。これまでの「日本・世界」の対比がこうして後退し始めたことが、この3年半をかけて生まれている最も大きな変化になっている。
令三社/山田裕嗣
記事・イベント
【3/25火@東京】Our Messy Journey 〜 僕たちの「でこぼこ」ジャーニー Vol.2
先進的な組織運営に挑戦する人の「生々しい話」を掘り下げるイベントシリーズ。
2回目はホラクラシーの実践者であり、その実践支援SaaSとしてトップクラスのシェア(たぶん)を誇るHolaspiritの創業者、フィリップへのインタビューです。
【3/21金@東京】『ソース原理』(英治出版)、『冒険する組織のつくり⽅』(テオリア)刊⾏記念
『ソース原理」発売を記念し、次世代の組織・働き⽅・⽣き⽅を探求する対話イベントを開催します。『冒険する組織のつくりかた』の著者・安斎勇樹⽒と『ティール組織』の解説者・嘉村賢州⽒、そして『ソース原理』の共訳者・⻘野英明⽒が⼀堂に会し、これからの世界観と組織のあり⽅について語ります。
書籍
『時間と自己』(木村敏)
日本語における「もの」と「こと」の対比。精神医学という領域における経験と研究を通じて、客観的に記述されうる「もの」の世界と、決して固定的に把握されうることはない流動的な「こと」の世界を語る。
これに対して、「リンゴが木から落ちる」のほうは、木から落ちるリンゴと、それを見て「リンゴが木から落ちる」ということを経験している主観との両方をはっきり含んだ命題である。
以前、『ソシキの夜噺』のシリーズにおいて、人・組織は「メカニズム」と「存在」に分けて捉えられる、と整理したことがある。「もの」を「メカニズム」に、「こと」を「存在」に擬えると、一定の親和性が見て取れそうだ。
河合隼雄(1928-2007)、木村敏(1931-2021)などの著作は、「日本的」な経営を考えようとする中では強く惹かれ続けている。この時期に辿られた思索を「経営」に転用することで、現在の世界観をずらすことができるのではないか。