「超長寿」企業の共通点
アメリカ東海岸のファンドという「アメリカ的な資本主義のど真ん中」に居ながら、世界中の超長寿企業を訪ね歩く。
OUTLASTと名付けられたこのプロジェクトに取り組むEricに同行し、712年に開かれた温泉宿である法師旅館を尋ねる機会があった。Ericのインタビュー相手は、第47代当主である法師善五郎氏。先代が昨年に亡くなったときにこの名を継承している(ちなみにこの方は女性だ)
法師旅館のインタビュー内容は、OUTLASTに譲るとして、インタビューアーであったEricの質問がまた印象的だった。数々の超長寿企業に訪問してきたからこそ、具体的で解像度の高い質問が次々と出る。
伝統を守ることと、変化するために破壊的な創造をすること。このバランスをどのように取るのか?
世界中の長寿企業と話していると、所有者というより『預かっている』『見守り役』のような表現が多い。それは共感するか?
資本主義では『早く』『大きく』が重視される。あえて『遅くする』『早く成長しない』ようなことは意識するか?
多くの長寿企業では『品質』に強いこだわりがある。それは法師旅館にも通じるか?
これは3年前にCorporate Rebelsの二人と初めて出会ったときと同じ感覚だ。今後、日本でも世界でも、彼がどのような長寿企業に出会い、またどのように共通項を抽出するのか。一緒に取り組めることが楽しみだ。
令三社/山田裕嗣
リサーチ
組織モデル・フレームワークの探索(7/25 月次研究会より)
令三社の社内メンバーを中心に、5月よりスタートした月次研究会。ここ最近は、7月の経営体制の刷新に合わせて提起し始めた「組織モデル」について、フレームワークのアップデートを中心に議論を重ねている。今回は特に「カルチャー」の扱い方について。組織づくりにおいて重要度の高いものであり、同時に、「何を指すのか」が非常に曖昧でもある。
今回の議論では、共有されるコアの価値観を起点に、
全体の「意識・行動」
共有の「言語・体験」
という組み合わせでの捉え方として整理を進め始めた。
記事・イベント
【9/13土@目黒】マネーワークと空海
ソース原理・マネーワークと空海を交差させて語ろうというユニークな試みの第二弾。今回は青野さんを登壇者に、「マネーワーク×空海」を深く掘り下げます。第一弾の「ソース原理×空海」も、様々な論点から掘り下げられる機会になりました(英語でポストしたサマリーはこちら)
コンテンツ
組織を変える鍵「ソース原理」入門 『Ep.2 お金とどう向き合うか?~ソース原理とマネーワーク』
音声メディアVOOXにてスタートした「ソース原理」を扱う連続シリーズ。第2弾は、翻訳者である青野さんを迎え、マネーワークについて掘り下げます。
本で読むだけではどうしてもわかりづらい「マネーワーク」の体感覚や質感について、日本で最もマネーワークを体現する一人である青野さん自身の実感を通じて、立体的に対話されていきます。
書籍
『目標という幻想 未知なる成果をもたらす、〈オープンエンド〉なアプローチ』
「目標を設定しないことで、むしろ価値ある結果に至る」
AIの研究を通じて到達したこの捉え方は、ソース原理における「人の創造的な活動」における世界観と、相通ずるものを強く感じる。本書でも、決して目標を設定すること自体を否定しているわけではない。しかし、目標をあらかじめセットするアプローチによって、未知の成果に至る可能性が閉ざされることに警鐘を鳴らす。
エフェクチュエーションも然り、ソース原理も然り、こうした「物事への取り組み方自体の刷新」が、新たな共通認識の土台となることで、初めて醸成される組織観がきっとある。

