Being と Mind Set
「在り方(Being)」とは何か?
リーダーシップにおいて「在り方(Being)」が大事である、というのはよく耳にしてきた。素晴らしいリーダーへの褒め言葉として「あの人の在り方が素晴らしい」と評する言葉も。
もちろん総じて異論はない。在り方は大事だ。ただ、これまでを振り返ると、自分では「在り方」という言葉を使うのを避けていた。
その理由はシンプルで、「”在り方”とは、要は何を表すのか?」というのが、自分の中で輪郭がはっきりしなかったからだ。
今回、書籍『ムース・ヘッズ・オン・ザ・テーブル』の出版に合わせ、著者のLisa Gillが来日した。この本の主題の1つが「在り方」である。彼女のイベント登壇などで何度も通訳を担う中で、ようやく、自分なりに「理解」ができた。
あるワークショップの中で、彼女は「Doing」「Being」「Mind Set」の3つは分けた説明をした。ここでの肝は、「Being」と「Mind Set」が分かれていることだ。
Doing=行為、やること
Being=在り方(→雰囲気、佇まい、居住まい、など)
Mind Set=マインドセット(→信念、価値観、世界の捉え方、など)
Lisaの説明した「Being」は、その人の発している「雰囲気」や「佇まい」などを意味する。それに対する「Mind Set」は、Beingのさらに前提となるものであり、世界の捉え方や判断の指針などの「信念」「価値観」などを指す。
たとえば「弱々しい雰囲気」(逆に「強く言い切る姿勢」)といった伝えるときに纏っている雰囲気が「Being」、それを支える「悪い人だと思われたくない」(「相手の可能性を信じる」)などが「Mindset」にあたる。
個人的な感覚だが、これまで日本語で「在り方」という言葉には「Being」「Mind Set」がもっと混在したものとして捉えていた。Lisaの視点でも、この2つはパッキリ分かれるものではないし、相互に影響し合っている。そして、厳密な定義を追求することも、おそらくあまり意味はない。
ただ、今回のように「Being」を支える土台となる「Mind Set」と捉えるのは、個人的にはこれまでで最も腑に落ちる整理だった。
令三社/山田裕嗣
リサーチ
Takram:「越境」から生まれるイノベーション
デザイン、エンジニアリング、ビジネスデザインなど、多様な専門性が「越境」するTakram。扱うプロジェクトは万博のパビリオンから文具・家具のプロダクトデザインまで多岐にわたる。それを支える「越境」と「専門性」の共存する組織づくりについて丁寧に話してもらった。
記事・イベント
『Moose Heads on the Table』 対話から始まるセルフマネジメント型組織の実践書
セルフマネジメント型組織に25年以上取り組んできたスウェーデン発のリーダーシップ開発会社であるTuff Leadership。その実践知の詰まった書籍『ムースヘッズ・オン・ザ・テーブル』が出版されました。
その根底にあるマインドセットの変化は「親-子」関係から「大人-大人」関係へのシフト、と表現されます。10社以上の豊富な実践事例(失敗も含む)を通じて、そのシフトが丁寧に紐解かれます。
書籍
『「いい会社」ってどんな会社ですか?社員の幸せについて語り合おう』
ここ最近、この本からの引用を何回か口にした。「年輪経営」で有名な伊那食品工業の(実質的な)創業者である塚越寛氏がサイボウズ青野さん、ユーグレナ出雲さんなどと対話する一冊。
この中で、サイボウズ青野さんは「顧客と事業に責任を持てれば、会社は無くなっても良い」と語り、それに対して伊那食品工業の塚越さんは「会社を存続されることこそが自分の責任」と異なる意見を返す。
両者に良し悪しはない。会社というもの、経営という行為において、「何を大切にするか」という考え方の違いだ。
大切なのは時間を経ても一貫性があることであり、それが関わる人達の中で共通認識が醸成されていることだ。


