「所有権」の新たな形
2月末から3月頭に掛けて、ドイツ、スペイン、リトアニアの3カ国に訪問する(この配信はまさにその滞在の真っ只中)。全体を通したテーマは、企業における「所有権/オーナーシップ」の再解釈の実践事例だ。
組織づくりにおいて、「所有権」のあり方は常に大きなテーマとなる。オーナー企業ならば「所有」と「経営」は一致していて、経営方針を巡る齟齬が起きることはない。一方で、良くも悪くもオーナーに権限も資産も集中することになり、長期的にフェアな運営を続けることが難しいこともある。
外部に大株主がいる場合、経営陣と株主の意向のすり合わせが重要になる。どれほど「社員に良い組織」を重視したくとも、短期的な「利益」や「経営効率」を重視する大株主がいたならば、論理的にその中長期的な発展を説くことはとても難しい。たとえば『ティール組織』にも事例として取り上げられるフランスのFAVIは、オーナーの交代によって組織が旧来的な運営に戻ってしまったとも聞く(これも2017年の話なので、2025年現在の状況はまた違うかも知れない)
ドイツでは「スチュワード・オーナーシップ」をテーマに、全部で5社ほどの訪問をアレンジしてもらった。コーディネート役は、BOSCHという歴史あるスチュワードオーナーシップ企業での勤務経験もあるBold2Moveだ。
スペインでは「KRISOS/NERグループ」への訪問。過去に英治出版のイベントで登壇してもらったDuniaの案内のもと、買収から3年ほどが立つIndaeroなどに訪問する。
帰国後にまた学びはシェアしたいと思うが、果たして、終わったときにどんな景色が見えているんだろうか。
令三社/山田裕嗣
リサーチ
先進的組織の実践事例(令三社インタビュー記事)
弊社のオウンドメディアにて連載している国内外の先進的な組織の実践事例について、noteにサマリー掲載を開始しました。SINA、Haier、Takramの3社から始まり、今後、過去のアーカイブの再掲も進めていく予定です。
記事・イベント
Only Just Beginning
Lisa Gillによる日本訪問のサマリー記事、第1回。青野英明さん、嘉村賢州さんとの3人でのワークショップからの振り返りを中心に、ティール組織のムーブメントに関して彼女の目線から解説しています。
【ムースヘッズ・オン・ザ・テーブル】RELATIONS ワークショップ 実施レポート
RELATIONSメンバーとその顧客に対し、『ムースヘッズ・オン・ザ・テーブル』の原著者Lisa Gillによるワークショップを行なった。その開催レポートを掲載。
「親-子」関係から「大人-大人」関係へ。
代表の山田による、Lisa Gillとの来日シリーズからの学びを掲載。人の内面をどう捉えるか、それが「相互に」影響するとは、「ポテンシャルに関わる」とはどういうことか、などを記述しています。
なぜ組織は変われないのか。日本企業をむしばむ閉塞感の正体
人事図書館の吉田さんからお声がけをいただき、最適な組織の形についてのディスカッションを記事にしてもらいました。1時間半くらい互いに全力で好き勝手に話した内容を丁寧にまとめて頂きました。
書籍
明六社-森有礼、西周、福澤諭吉らが集った知的結社
令和3年に立ち上げたことで「令三社」という社名をつけたのだが、これは明治6年の「明六社」からインパイアされたものだ。
先週末、2週間のヨーロッパ出張に持参するのに良さそうな本を探していて、偶然にも発見した一冊。2月20日に発刊されたばかり。このタイミングで明六社を取り上げるとは、どういうことなのか。
彼らの主張は見事なまでにばらばらである。「啓蒙思想家集団」という言葉で想像されるような、統一的な綱領や機能的な分業関係などはそこには一切見られない。つまり、明六社は統一的なプログラムを有する「啓蒙」集団などではなかったのである。しかし、だからこそ/それゆえに、彼らの共属意識が重要なのである。
冒頭の「はしがき」にある文章。明六社という社名に惹かれた理由は、まさにこのあたりにありそうだ。



