「30年」の時間軸
「我々の資本主義の歴史はまだ30年くらいしかないんだ」
先週までのヨーロッパ出張の中で、2回、このセリフを聞く機会があった。1回目はポーランド人、2回目はリトアニア人。
ポーランドは1989年9月に非共産党政権が成立しており、リトアニアは1990年3月にソ連から独立を果たしている。どちらの国でも、1990年代に起業した(当時の)若手起業家が70代を迎えることで、「初めての世代交代」が今まさに起きようとしているそうだ。
一方の日本。ちょうど同時期の1990年にバブルが崩壊。それまで年率4-5%だった経済成長が0.5-1%へと下降し、「失われた30年」が始まった。2008年には人口もピークを迎え、以降は減少傾向に転ずる。
奇しくも同じ「30年」ほどの時間軸で社会的なナラティブが共有されているものの、見えている景色はずいぶん違う。
ポーランドでIT企業UNIVIOは1997年に創業され、500名ほどでセルフマネジメントを広く実践している。リトアニアのELCAホールディングスは2012年に創業され、200名規模で自動車整備などの企業グループであり、それぞれの子会社でセルフマネジメントを実践する。
これらの実践事例の理解の仕方も、社会的な背景を踏まえて聞くと、また違った解像度で捉えられる。社会の変化による影響を肌で感じる、貴重な機会になった。
令三社/山田裕嗣
リサーチ
「議決権」と「財産権」の分離:スチュワード・オーナーシップという新しい形
ドイツでPurpose財団が提唱し始めた「スチュワード・オーナーシップ」について。その内容に関する現時点の理解を整理しました。ポイントとなるのは「議決権」と「財産権」を分けて捉えること、ではないか。
記事・コンテンツ
13万人の巨大企業はなぜ変われたのか——ハイアールに学ぶ組織変革の実践
人事図書館の館長である吉田洋介さんとの対談記事、第2回はハイアールを中心に、組織の変革について色々な角度から語っています。Micro Enterpriseや組織変革の変遷なども丁寧に図解して頂きました。
「良かれと思って」が自律を潰す——いま問われる上司と部下の「大人の関係」とは
続く第3回では、先月に来日したLisa Gillの著書『ムースヘッズ・オン・ザ・テーブル』の内容をもとに「大人-大人」関係のマインドセットの内容と、それが自律的な組織になぜ必要かを語っています。
イベント
【3/24開催】ABD読書会:ムースヘッズ・オン・ザ・テーブル
2月17日に発売された『ムースヘッズ・オン・ザ・テーブル スウェーデン発セルフマネージメント型組織をつくり上げた2人の女性の実践』に関するABD(アクティブ・ブック・ダイアログ)形式の読書会。
書籍
『21世紀を動かす思想 加速主義・プルラリティ・SFプロトタイピング』
「技術」と「思想」がどのように交錯するのか。シリコンバレーを取り巻く効果的加速主義や、オードリー・タンとグレン・ワイルが提唱するプルラリティ。世界を取り巻く変化に対して、どのような考え方に立脚し、何に重きを置くのか。俯瞰的にその交錯する点を捉えるのに良い入口となった。




