「組織」の情報の不完全性
企業経営をする中で、組織に関して何かを「決める」とは、どういうことか?
当たり前の話のようだが、真面目に考えると、この問いに答えるのは意外と難しい。その難しさを生む要因の一つは、「組織」とは何のことを指しているのか、その定義の曖昧さにも起因する。
「組織」には実態がない。関わる人たちの中で共有されている共同幻想である。そこには、常に情報の不完全性がつきまとう。
まず、組織の「ウチ」と「ソト」で得られる情報の違いがある。どれほど組織に近接しようとも、その組織に実際に当事者として関わっている人たち、その中でこそ共有される「実感」や「空気感」が必ず存在する。
しかし、「ウチ」にいる人たちの中でも、常に情報の非対称性が存在する。なぜならば、その人が観測・観察できるのは必ず「自分以外」の組織でしかないからだ。100人いれば100通りの「自分以外の99人」によって構成される組織があることになる。
なぜ、こんなことをわざわざ考えるのか。
それは、冒頭に挙げた「決める」ことの前提となるからだ。常に情報の不完全性が存在する。それでも、何かを「決める」ことでこそ、組織という共同幻想の変化が生まれることはある。
必要なのは、100%完全な情報ではない(というかそれは不可能だ)。いま、どの範囲で、何を「決め」ているのか。そのたびに、ある意味で「仮初め」の見立てと合意をする。その繰り返しこそが、組織における「決める」という営みに通じる。
令三社/山田裕嗣
Case Series - 日本・世界における組織運営の実践事例
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【通訳付き】ソースワーク概論1day ~A little red book about Source 著者ステファン・メルケルバッハ講演会〜 ソース原理基礎講座番外編
ソース原理の理解と実践に欠かせないものとして、Money-Work(マネーワーク)・Source-Work(ソースワーク)・ビジョン作成という3つの柱があります。今回はその3つの柱の1つであり、新たな時代の協働のカタチであると言えるSource-Work(ソースワーク)に焦点を当てて、じっくりと探求していきます。
「ソース原理基礎講座番外編 ソースワーク入門1day」は、ステファンの人柄も含めて、ソース原理の基礎的な内容に触れる講座です。